日語閲讀:覆水盆に返らず
「覆水盆に返らず」
<ふくすいぼんにかえらず>
離婚した夫婦は二度ともとに戻らないこと。
一度してしまったことは二度と取り返しがつかないこと
呂尚(りょしょう)と馬氏(ばし)は夫婦でした。
夫である呂尚は読書ばかりしていて暮らしのことなど全く考えていませんでした。
妻の馬氏はあきれてしまい、実家に帰ってしまいました。
周の國の時代になると、呂尚は「太公望(たいこうぼう)」と呼ばれて取り立てられ、斉の國を與えられて、高い位につきました。
それを知った馬氏は、馬に乗っていた呂尚の前でひざまずき自分が家を出たことを詫(わ)びて、再び夫婦になりたいと願い出ました。
呂尚は馬氏の目の前で盆に水を入れ、それを傾けて地麪にこぼしました。
そして
「私がこぼした水をすくってみなさい。」
と言いました。
馬氏は言われたとおりに、必死ですくおうとしましたが手ですくえるのは泥だけでした。
呂尚は
「君は自ら望んで私と別れたのだ。
今、あらためて私と一緒になりたいと言っているが覆した盆の水が再び戻せないのと同じで、復縁は無理だ。
一度実行してしまったことは、もう取り返すことができないのだよ。」
馬氏は悲しみ嘆いたまま死んでいきました。
0條評論