日語閲讀:ももたろう

日語閲讀:ももたろう,第1張

日語閲讀:ももたろう,第2張

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。毎日、おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へせんたくに行っていました。

  ある日おばあさんが川でせんたくをしていると、大きなももがどんぶらこどんぶらことながれてきました。おばあさんはおじいさんにおいしいももを食べさせてあげようと、そのももを家へもって帰りました。山から帰ってきたおじいさんも、おいしそうなももを見てたいそうよろこびました。そしておじいさんとおばあさんはももを半分にわりました。するとびっくり、ももの中から元気な男の子がとび出してきたのです。

  おじいさんとおばあさんには子どもがいなかったので、このももから生まれた子どもを天からのさずかりものだといって「ももたろう」と名づけてそだてることにしました。ももたろうはおばあさんのつくるごはんをたくさん食べて、どんどん大きくなりました。

  ももたろうはあっというまに大きくなって、力もちになりました。でも、ももたろうは毎日なまけてねてばかりいます。村のわかいしゅうが山へたきぎをひろいに行く時も、ももたろうだけは村にのこって何もしません。おじいさんとおばあさんはしんぱいして、「ももたろうをさそっておくれ。」とわかいしゅうにたのみました。「ももたろう、いっしょに山へたきぎをとりに行こうよ。」とさそわれても、「しょいこがないから行けないよ。」と、ももたろうはごろんと晝ねをしはじめました。つぎの日も、「わらじがないから行けないよ。」と言います。そのつぎの日とうとうおばあさんがおこりだしたので、ももたろうはしかたなしに村のみんなといっしょに山へ行きました。

  山でみんながたきぎをひろっているあいだ、ももたろうは晝ねをしていました。たきぎあつめがおわってみんなが帰りじたくをはじめるころに、「さて、おれもたきぎをひろって帰ろうかな。」とももたろうが言い出しました。みんなは「今ごろたきぎをあつめたら帰りがおそくなるよ。」と言いました。するとももたろうは、いきなり大きな木をつかみ、その木をめりめりと引きぬいてしまいました。みんながびっくりしている中、ももたろうはその木をかついで村に帰って行きました。

  木をかついで帰ってきたももたろうを見て、おじいさんとおばあさんはとてもおどろきました。そしてその話がおとのさまの耳に入るとおとのさまはももたろうをお城によんでこう言いました。「前からわるい鬼が何度も何度も村人をおそっては、いろいろなものを盜んでいく。力もちなら、鬼をたいじしてくれぬか。」

  こうしてももたろうは鬼たいじの旅に出かけることになりました。

  ももたろうが旅に出るとき、おじいさんとおばあさんはきびだんごを作ってももたろうにもたせました。

  ももたろうは、道のとちゅうで犬に出會いました。「ももたろうさん、どこへ行くのですか。」と犬が聞きました。「鬼がしまへ鬼たいじに行くところだ。」「このこしにぶら下げているものは何ですか。」「日本一のきびだんごだ。」「ひとつくださいな。おともします。」と犬は言いました。

  そこでももたろうは犬にきびだんごをあげました。

  犬といっしょに旅をつづけると、さるに會いました。「ももたろうさん、どこへ行くのですか。」と聞きました。「鬼がしまへ鬼たいじに。」「このこしにぶら下げているものは何ですか。」「日本一のきびだんごだ。」「ひとつくださいな。おともします。」とさるは言いました。ももたろうはさるにもきびだんごをあげました。

  そしてももたろうは犬とさるをつれて旅をつづけました。こんどはきじが一羽とんで來て、おなじように、「ももたろうさん、どこへ行くのですか。」と聞きました。「鬼が島へ鬼たいじに。」

  「このこしにぶら下げているものは何ですか。」「日本一のきびだんご。」「ひとつくださいな。おともします。」ときじは言いました。そしてももたろうはきじにもきびだんごをあげました。

  ももたろうと、犬、さる、きじは浜辺につきました。そして船にのり、鬼が島へむかって海へこぎだしました。ところが、こげどもこげども島は見えません。そこできじが島をさがしにとんで行きき、島を見つけてその方角をおしえました。そして、みなは鬼が島につきました。島には鬼の城がありました。城の門はぴったりとしめられていましたが、さるがすばやく門にのぼって中からかんぬきをあけ、門をひらきました。でも鬼はそんなこととはしらず、酒をのんでは歌を歌っていました。そこでももたろうは大聲でさけびました。「ももたろうだ。おまえたちをたいじに來たぞ。」鬼たちは犬とこぞうに何ができるとわらいとばしました。でも日本一のきびだんごをたべて元気いっぱいのももたろうとなかまたちは、あっというまに鬼たちをやっつけてしまいました。鬼たちは「たからものはおかえしします。もう二度と悪いことはしません。いのちだけはおたすけください。」とあやまりました。

  こうして、ももたろうと仲間たちはたからものをもって村へ帰りました。しんぱいしていたおじいさんとおばあさんも、ももたろうの大てがらをたいそうよろこびました。それからももたろうはおじいさんとおばあさんといつまでもしあわせにくらしました。めでたしめでたし。

位律師廻複

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