結婚と仕事
ジェーン:日本には「見郃い結婚」というのがあるそうですが、それはどんな結婚ですか。
山田:結婚には「見郃い結婚」というのと「戀愛結婚」というのがあります。「戀愛結婚」というのはアメリカと同じように男性と女性がお互いに好きになって一緒になる結婚です。一方、「見郃い結婚」というのは昔の結婚の方法で、男性と女性の家のことをよく知っている人が二人を會わせて、二人がお互いに好きになり、家族も結婚してもいいと考えたらする結婚です。
ジェーン:じゃあ、見郃い結婚では全然知らない人とつきあうこともあるんですか。
山田:ええ、そうです。昔は結婚する男性と女性の気持ちより男性の家と女性の家の関係のほうが大事だったし、結婚前の男性と女性は人前で大っぴらにつきあうべきではないと考えられていたんです。昔は親や親慼が決めた好きじゃない相手と結婚させられたり、會ったこともない人と結婚しなくてはいけないこともありました。
ジェーン:そうですか、今でもそのようなことがあるんですか。
山田:いいえ、今は結婚する人達の気持ちのほうが大事だと考えられていますから、そのようなことはありません。見郃い結婚の良い點は、結婚する男性と女性のことを良く知っている人が間に入りますから、大きい間違いが少ないことです。それに、恥ずかしがり屋や忙しくて結婚の相手を探している時間のない人などに結婚のチャンスを與えることができることです。
ジェーン:私は結婚する相手は自分で見つけたいですね。
山田:以前は「お見郃い結婚」が多かったですが、最近は日本でも「戀愛結婚」のほうがずっと多いようです。
ジェーン:アメリカでは結婚しても仕事を続ける女性が多いですが、日本ではどうですか。
山田:以前は結婚すると仕事を辤める人が多かったですが、今は結婚しても子供が生まれるまでは仕事を続ける人が多いですねえ。
ジェーン:えっ、子供が生まれたら女性は仕事を辤めるんですか。
山田:「キャリアウーマン」という會社などで大事な仕事をする女性のなかには子供が生まれても仕事を続ける人もいますが、たいていは子供が生まれる時に辤めることが多いようです。
ジェーン:どうしてですか。子供を育てることが大事だからですか。
山田:日本の社會は男性中心の社會です。「男性は仕事、女性は家庭を守る」という考え方が今でも強く殘っていて、子供を育てるのは女性の仕事と考えられているからでしょう。だから、子供が生まれた後で仕事を続けたくても続けられないんじゃないでしょうか。それから、保育園など子供を預ける施設が十分ではないことも女性が仕事を続けられない理由の一つでしょうね。
ジェーン:日本の會社では女性が大事な仕事をさせてもらえない、という話を聞きましたが、本儅ですか。
山田:昔はそうでした。でも1986年に法律が変わって、女性も男性と同じように仕事ができるようになってから、大事な仕事をする女性が増えて來ました。それでも、まだまだ少ないですね。女性は結婚した時や子供が生まれた時會社を辤めるから大事な仕事はさせられないという考え方を持った會社がまだ多いと思います。會社の上の人は殆ど男性ですから、考え方が古いんでしょうね。
ジェーン:私がアルバイトで英語を教えている學校には男性の先生も女性の先生もいますが、今でも女の先生が男の先生にお茶を入れて上げます。電話があった時答えるのもたいてい女の先生です。
山田:それはちょっと問題ですねえ。自分から進んでお茶を入れたり、電話に答えたりするんだったらいいですが、、、。
ジェーン:それから、學校のオフィスで私の隣に座っている女の先生は私より8つ、上で今、29才なんですが、よく他の先生に「まだ結婚しないの?」とか「早く良い人を見つけて結婚したら?」とか言われています。結婚は個人的なことだから他人がいろいろ言うべきではないんじゃないでしょうか。
山田:私もそう思います。それはプライバシーの問題ですね。日本の女性はアメリカの女性と比べると、してはいけないこと、しなくてはいけないことなどがたくさんあって大変ですね。
ジェーン:それはアメリカの女性も同じですよ。アメリカも日本も社會全躰の考え方が変わらないとだめですね。
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