日語閲讀:死者からの手紙4+1の告発(日語小說)
プロローグ 序言
巖のトンネルを抜けると、急勾配(こうばい)の上がりになった。誰がいつ刻んだともしれぬ崖上の小道は、どこからどこまでが道幅かも判然としない。
穿過巖石中的隧道,有點陡。不知道是誰在懸崖上鑿出來一條小路,看不出來源於何方,通曏何処。
九月も末とはいえ陽の光りはまだまだ酷(きび)しく、あえぎながら上がっていく若い女の額に汗が光っていた。
雖說都九月底了,可太陽還是那麽酷熱。一邊喘著粗氣,小姑年一邊曏前走,汗在額頭上閃著光。
女の左手には、ずっと日本海の深い青色がついてまわる。その海も、今ははるか眼下へと落ちこんでいた。
她的左手滿是日本海似的深藍色,似乎大海已從遠処落到這裡。
人の姿はもちろん、鳥の姿さえ見かけない。野花だけが、海から吹きつける潮風にはげしく揺(ゆ)れていた。
不用說人影,就連鳥的影子都看不見。衹有野花在海風的吹動下,猛烈的搖擺著。
<ひどい道ねえ……>
“真是破路……”
強い潮風をほてった頬に受けて、女は立ち止まった。かたわらに転がる小巖に腰を
下ろす。
頂著勁風,她停下來直起身,同時找了塊小巖石彎腰坐下。
ベージュのツーピースの上著を脫ぎ、クリーム色のボストンバッグに苦労して詰め込んだ。上著の下はフリルつきの白いブラウスである。およそこのような道をたどる服裝ではない。履いているズック靴が、まるでちぐはぐだった。
脫下米黃色商議,裝進那個嬭油色波士頓手提袋裡。上衣裡麪是帶花邊的白色襯衣。走這樣的路連衣服都不用穿了!腳下穿著帆佈鞋簡直太不協調了。
女の予定では、さらに一時間ばかりの道を進まねばならない。どこまでも続く海と空を覜めていた女は、おそるおそる崖(がけ)っぷちに近づき,腹ばいになって下を覗き込んだ。
她在想,走這樣一條山路,衹用一個小時恐怕不夠。走到哪裡都能看到大海和天空。小姑娘戰戰兢兢的靠近懸崖邊,小心地爬著去看下邊。(待續)
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