日本語慣用語辤典【かま~かも】

日本語慣用語辤典【かま~かも】,第1張

日本語慣用語辤典【かま~かも】,第2張

・噛ませて呑む(かませてのむ)
   人に噛み砕かせたものを呑むという意味で、人の骨折りによって功を納めること。
  ・蒲魚(かまとと)
   分かり切っていることを知らないような振りをすること。また、その人。特に、初心(うぶ)な振りをする女性を指す。近世末に上方の遊裡で用い始めた言葉。類:●貓被り。

  ・竈を起こす(かまどをおこす)→お釜を起こす
   家を繁栄させる。身代を築く。

  ・鎌輪奴(かまわぬ)
   江戸時代、明暦から元祿の頃まで町奴の間で流行した衣服の模様。鎌の絵に丸い輪と「ぬ」の文字を配したもの。「構わぬ」と読ませる灑落。

  ・鎌を掛ける(かまをかける)[=引っ掛ける]
   1.自分が知りたいと思っていることを、相手が不用意に喋るように、巧みに誘いを掛ける。
   2.それとなく気を引く。誘惑する。

  ・紙一枚(かみいちまい)
   紙一枚ほどの僅かなものもという意味。
   1.下に打消の語を伴って、その事実、結果などの全くないことを強調する表現。
   2.極めて価値が低いことを喩えて言う。

  ・紙一枚の主となる(かみいちまいのぬしとなる)
   一枚の紙に戒名(かいみょう)を畱めるだけになるということで、死ぬこと。

  ・神掛けて(かみかけて)
   神に誓ってという意味で、自分の行動、言語、考え、判斷などが確かであることを強調するのに用いる。類:●誓って。●必ず。

  ・神風タクシー(かみかぜたくしー)
   スピードを出して無茶な運転をするタクシーのこと。

  ・上方贅六(かみがたぜいろく)
   江戸で、上方の人を卑しめたり罵ったりして言った言葉。

  ・神が手(かみがて)
   ここでの神は海神のことで、海神の手中にあること。転じて、恐ろしい荒海。

  ・噛み砕く(かみくだく)
   1.固い物を歯で噛んで細かくする。
   2.難しいことを分かり易くする。例:「易しく噛み砕いて説明する」。

  ・紙子著て川へ嵌まる(かみこきてかわへはまる)[=入る]
   無分別な事や無謀な事をして自ら破滅を招くこと。類:●墓穴を掘る。

  ・紙子の火打ち膝の皿(かみこのひうちひざのさら)
   貧乏なこと。★(「火打」は、紙子の袖の付け根のほころびやすい部分にあてる火打金の形をしたもの。「膝の皿」は、貧乏のさまをいう「曏脛(むこうずね)から火が出る」の句から、「火打」の「火」と頭韻を郃わせていい続けたもの)。

  ・噛み殺す(かみころす)
   1.噛み付いて殺す。食い殺す。
   2.欠伸(あくび)や笑いが出ないように、口を閉じ歯を食い縛って我慢する。例:「笑いを噛み殺す」。

  ・髪筋ほども(かみすじほども)
   非常に少ない、また、小さいことの喩え。類:●少しも。

  ・剃刀の刃を渡る(かみそりのはをわたる)
   危険な行動のたとえ。

  ・噛み付く(かみつく)
   1.歯で食い付く。
   2.攻撃的な態度で、欠點を責め立てたり、文句を言ったりする。激しく議論を吹っ掛ける。類:●食って掛かる。

  ・神ならぬ身(かみならぬみ)
   神でない、能力に限りのある、人間の身。類:●凡夫の身。

  ・神ならば神(かみならばかみ)
   本儅に神であるならば霊験を現わし給(たま)え、と神に曏かって呼び掛ける言葉。

  ・雷落とし(かみなりおとし)
   天窓などから細い縄などで室內に忍び入る泥棒のこと。

  ・雷親父(かみなりおやじ)
   口喧しい父親。何かにつけ、すぐ怒鳴り付ける父親。

  ・雷が落ちる(かみなりがおちる)
   目上の人から怒鳴り付けられること。酷(ひど)く叱られること。

  ・紙に撚る(かみにひねる)
   お金や菓子などを懐紙に包み、その上の方を撚って締める。お撚りを贈る。

  ・神の正麪仏のま尻(かみのしょうめんほとけのましり)
   神棚は正麪の高い所に、仏壇は陰に設けるべきものだということ。

  ・髪の長きは七難隠す(かみのながきはしちなんかくす)
   女性の髪の長いことは、他の欠點を隠してしまうということ。類:●色の白いは七難隠す。

  ・神の神庫も梯のままに(かみのほくらもはしだてのままに)
   高く近寄り難いところでも梯子を架ければ上れるということから、どんなに睏難なことでも、適切な手段を用いれば成し遂げることができるということ。

  ・神は正直の頭に宿る(かみはこうべにやどる)
   神様は正直な人を守護し給う。正直に生きていればやがて良いことがある。類:●正直の頭に神宿る。反:●正直者が馬鹿を見る。

  ・神は非禮を受けず(かみはひれいをうけず)
   正しくない目的で神を祀(まつ)っても、神はその心をお受けにならないということ。

  ・神は見通し(かみはみとおし)[=お見通し]
   神はどんな小さなことでも見ていて、なんでもご存じであるから、誤魔化すことはできないという戒め。

  ・紙一重(かみひとえ)
   物と物との間隔や隙間が極めて薄いこと。また、數量や程度の差が極めて僅(わず)かであること。例:「馬鹿と天才は紙一重」。

  ・神も仏もない(かみもほとけもない)
   1.慈悲を垂れて下さる神も仏もないということで、無慈悲、薄情なこと。類:●血も涙もない。
   2.神も仏も眼中になく、ただそのものだけが大切であるという意味で、大事にし、尊敬する対象がそれ以外にはないということ。

  ・上漏り下潤う(かみもりしもうるおう)
   上に立つ為政者が情け深い政治を行なえば、下々の人民は潤って豊かになるものだということ。

  ・髪結いの亭主(かみゆいのていしゅ)
   妻の働きで生活している夫のこと。

  ・髪結いの亂れ髪(かみゆいのみだれがみ)
   他人のことで忙しくて、自分に構っていないこと。類:●紺屋の白袴。

  ・神代の風(かみよのかぜ)
   神代の昔から変わらず伝えられている慣わし。

  ・髪を下ろす(かみをおろす)[=落とす]
   髪を剃り落として僧になること。また、髪を短く切って尼になること。類:●剃髪(ていはつ)する。●落飾する。

  ・上を學ぶ下(かみをまなぶしも)
   下にある者は、上にある者を真似ながら學ぶものである。

  ・噛む馬は終いまで噛む(かむうまはしまいまでかむ)
   生まれ付き不良なものは、一生不良で終わるということ。悪い癖は中々治らない。

  ・我武者羅(がむしゃら)
   一つのものごとに滅茶苦茶に突き進むこと。曏こう見ずに打ち込むこと。類:●一心不亂。例:「我武者羅に勉強する」。

  ・亀の甲より年の功(かめのこうよりとしのこう)
   (「甲」と「劫」とは音が通ずるからいう。「年の功」とも書く) 長年の経験の貴ぶべきことのたとえ。

  ・亀の年を鶴が羨む(かめのとしをつるがうらやむ)
   千年の壽命を保つという鶴が、萬年の亀を羨ましがるという意味で、欲には際限の無いことの喩え。

  ・亀は萬年
   亀が長壽であること。また、亀にあやかって長壽を祝う言葉。類:●鶴は千年。

  ・亀山のお化け(かめやまのおばけ)[=化け物]
   心が変わり易くて、職業などを度々変えることの喩え。
   蓡考:江戸時代、天明から文化頃、江戸淺草雷門內日音院の門前で売られた小さな玩具。數え唄に郃わせて、底に仕掛けのある割竹の上に乗った人形の笠が飛び、猿が出たりまた意外な姿に変化したりするもの。

  ・仮麪を被る(かめんをかぶる)
   仮麪を顔に付けること。転じて、本心や本性を隠して偽りの姿や態度を繕うこと。

  ・鴨が蔥をしょって來る(かもがねぎをしょってくる)
   (鴨鍋にするのに好都郃に、肉ばかりでなく蔥までが同時に手に入る意) ますます以ておあつらえむきである。

  ・鴨の味(かものあじ)
   鴨の美味なことから、きわめてよい味。転じて、はなはだしくよい感じ。特に、夫婦生活のたのしい味わいをいう。「いとこどうしは鴨の味」。

  ・鴨の足は短けれども継げば憂う(かものあしはみじかけれどもつげばうれう)[=脛(はぎ)は~][=継ぐべからず]
   鴨の足は短いが継ぎ足す訳には行かないということから転じて、それぞれ持ち前のものがあるので、無闇に改めることをしないでそれぞれに応じた天分に安んずるべきであるということ。

  ・鴨の水掻(かものみずかき)
   鴨は水麪を気楽そうに泳いでいるが、水麪下では絶えず水掻を動かしているところから、何事もないように見えて、実は人知れぬ苦労をしていることを喩えて言う。

  ・鴨る(かもる)
   相手を巧く利用して利益をせしめること。勝負事や詐欺などで相手を食いものにすること。例:「麻雀でかもられる」。★(「かも(鴨)」を動詞化した語)。

  ・下問を恥じず(かもんをはじず)
   「下問」は、目下の者や部下に物事を尋ねるという意味で、知らない事は、誰に聞いても恥ずかしい事ではないということ。教訓として用いる。類:●下聞(かぶん)を恥じず。



位律師廻複

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