日語閲讀:完璧
「完璧」
<かんぺき>
完全で欠けたところがないこと。
強大國である秦の昭王は、趙の國の恵文王(けいぶんおう)が持っていた「和氏の璧(かしのへき)」
というすばらしい寶の玉が、欲しくて欲しくて仕方ありません。
とうとう昭王は、趙の國に使者を送り、「璧」と「15の都市」との交換を申し出ました。
恵文王は、
(秦の國は、いずれ我が國を滅ぼそうとしているはずだ??)
と、わかっているので、昭王の申し出を信用することができません。
素直に「璧」を差し出せば、都市との交換の件をうやむやにされるかもしれないし、かといって、斷れば、それを口実にして一気に攻めてくるかもしれません。
恵文王が睏っていると、相如(しょうじょ)という人物が申し出てきました。
「私を使者にしてください。
交換條件がうまく成立すれば、「璧」をおいてきましょう。
交渉がうまくいかないときは、無傷のまま「璧」を持ち帰りましょう。」と。
そして、相如は秦の都へ曏かいました。
早速、「璧」を手渡すと昭王は大喜びしましたが案の定、交換條件は知らん顔です。
そこで相如は
「実は、その玉には小さなキズがありまして??」
と申し出て、説明するふりをしてその「璧」をさっと手にするやいなや、後ろの柱まで一気に下がりました。
「あなたは、都市との交換のつもりがないようなので、この「璧」は私が持ち帰ります!
それをお許しなさらないのなら、私の頭もろとも柱に打ちつけて砕いてしまいますよ!」
と叫びました。
昭王は、相如の気迫に押されて、「璧」とともにそのまま帰國させました。
そうして、璧は完全なまま恵文王の手元に戻った、ということです。
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